アニサキス症には、寄生した部位によって「胃アニサキス症」「腸アニサキス症」「消化管外アニサキス症」があり、それぞれ症状が異なります。

アニサキス症の症状とは

アニサキスとは、寄生虫の名前です。

このアニサキスが内臓に寄生することによって起きるアニサキス症。はたしてどんな症状なのでしょうか?
アニサキス症には、寄生した部位によって「胃アニサキス症」「腸アニサキス症」「消化管外アニサキス症」があり、それぞれ症状が異なります。順に見ていきましょう。
アニサキス

胃アニサキス症

腹痛胃アニサキス症は、胃の粘膜にアニサキスが寄生した場合に起こります。日本で発症するアニサキス症のほとんどはこの胃アニサキス症です。
発症するのは原因となる魚を食べてから早くて2時間後、遅くとも十数時間後に発症します。

症状として、みぞおち付近に激しい痛み、むかつきを覚えます。
発熱があり、だるさを感じる場合もあります。

あまりの気持ち悪さに、突然嘔吐してしまう場合もあります。
この痛みは非常に強く、長く続くのが特徴で、ごくまれに下痢、じんましん、大量の吐血を引き起こす場合がある恐ろしい寄生虫です。インフルエンザbとはまた別のリアル恐ろしさがありますね。
アニサキスの幼虫
出典元:厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/





腸アニサキス症

腸アニサキス症は、小腸や大腸にアニサキスが寄生した状態です。
発症は食後十数時間から数日後ですから、胃アニサキス症よりも時間がかかります。

胃アニサキス症と同様に強い痛みを覚えますが、痛む部位は下腹部、おへその周りです。

虫垂炎、腸閉塞、腸穿孔と近い症状が出ますから、これらの病気と誤診されて開腹手術になってしまうこともあったようです。

消化管外アニサキス症

消化管外アニサキス症は、胃や腸の壁を貫通して腹腔内にアニサキスが出てしまった場合を指します。

このケースは、アニサキス症全体の1%以下で発生する非常にまれな病状です。

症状の推移としては、まず強烈な腹痛が来ます。それから発熱、嘔吐と症状が進んでいきます。

この場合、アニサキスがどの器官に障害を与えるかどうかによって症状は左右されますので、一概には言えません。
これまでに報告された例では、胸腔、肺、腹腔、腸管膜、肝、リンパ節、皮下など全身のあらゆるところに寄生します。
他の病気の手術中などに、痕跡が発見されてはじめて寄生されていたことがわかる、という場合がほとんどです。

医者胃アニサキス症の場合は、原因となる魚を食べてからの経過時間が短いですから、心当たりがある場合はすぐに病院に行きましょう。

腸アニサキス症は多少時間が経ってからの発症ですから、他の病気と混同してしまう場合もあるでしょうが、やはりなるべく早く受診されることをおすすめします。診断には内視鏡やエコーなどの医療機器を使用しますから、できれば個人開業医よりも大きな病院がいいですね。

またアニサキス症とは異なりますが、

アニサキスによるアレルギー症状が出る場合もあります。

これはアニサキスが加熱されて死んでいた状態であっても発生してしまう非常にやっかいな疾患です。
その症状としては体のかゆみ、じんましん、腹痛、吐き気・嘔吐、血圧降下、呼吸困難を起こす場合があります。
アレルギーは、個人特有の問題になるので、発症した方は焼き魚さえも食べられなくなってしまうのでしょうか。